ダイヤモンドスマイルで平成最後のしんどいを 〜終助詞から考えるダイヤモンドスマイル〜
終助詞について考えていたら、1日が終わっていたのでブログを書くことにしました。
20字以内で要約すると『ダイヤモンドスマイル』しんどいよ☆☆って話です。
平成最後のしんどいはダイヤモンドスマイルで決まりっ
この曲、全編通してただただしんどい。
自信を無くした「私」を「僕」が励ます、関西のキラキラアイドルなにわ男子のオリジナル曲です。「私」に自分を重ねて聴くとアイドルが自分を励ましてくれてしんどさ728倍なのでおすすめです。
なんか文字にすると薄っぺらいのでとりあえずちゃんと聴いたことがない方は今すぐ聴いてください。*1
言わずもがな、余すところなく最初から最後までひたすらしんどい曲です。
今日のため息振り向いた明日の君
今日の自分を気にして前を向けない明日の君…今日の自分を変えないと明日の自分は良くならないんですね。明日が突然よくなるなんてことはないんですね。しんどい……
また「私なんて」ってセリフ 君には似合わないよ
ぎゅっと 繋いだ手を また握りしめた
自己肯定感爆下がり中の「私」の隣で手をぎゅっと握りしめて励ましてくれます。しんどい……
キライな自分 好きな自分 素直に言えたらイイね
自分の嫌な部分を認めるのってそんなに簡単じゃないですよね、自分の好きな部分も自信を無くしているときはそんなことないって否定しちゃう。言えたらいいねって「私」が自分の好きな部分もキライな部分にもどっちにも気付いて本当は言いたいけど言えないことをわかってくれてるんですよ、自分のことを素直に口に出せない=認められない弱い自分を許容してくれます。しんどい……
僕だけの君でいてね
この歌詞!!!!!!!!曲の中で私は一番好きです!!!!
何がしんどいっていて「僕だけの君でいて『ね』」「ね」がしんどい
まず、このフレーズを文節に分けてみると
僕だけの/君で/いてね
となり、次にこれを単語に分けてみると、
僕/だけ/の/君/で/い/て/ね
となります。
「ね」はそれだけで文節が作れない付属語であり、加えて文末に置かれていることから終助詞であると考えられます。終助詞は話し手の気持ちを表す働きをします。
とりわけ「ね」は、その事柄を話し手の心の中で再度確認する場合や、聞き手に対してその事柄を確認するときに用いられることが多いようです。
つまり、「僕」だけの君でいることを自分と「私」に確認しているんです。*2
「私」にとって「僕」は弱い自分をさらけ出せる存在なのに、これだけ落ち込む「私」をそばで支えているのに、「私」の弱いところも認めてあげられる包容力もあるのに、「僕」だけの君でいてくれることを確認しないといけないんです!!!!何それ!!!!!こんなに「私」の近くにいるのに、「私」には君の笑顔は世界で一つだよ、もっと自分を評価していいよって自信を取り戻してあげようとしているのに、「僕」は自信ないの!?!?!?!?
思い出してください、この曲はキラキラアイドルが歌っているんです。ステージに立って歌って踊って人のことを幸せにする彼らがこんなに自信のない目線の歌詞を歌っているんです、キラキラアイドルがこんなにそばにいる人に対して自身の持てない「僕」の歌を歌う!!しんど!!!!
こんなにしんどい曲を歌うアイドルいるだろうか???
(いや、いない!!!)
ちょっと自信を持てない等身大の「僕」が曲を聴いている私をこんなにも励ましてくれるからしんどい。
平成最後のしんどいはダイヤモンドスマイルだよ「ね」っ
参考文献
・ 稲賀敬二・竹盛天雄・森野繁夫(2010)『新版二訂 新訂総合国語便覧』第一学習社
*1:2019.02.22にジュニア情報局にアップされた局動画#42の20:55から聴けます。まず聞いて